Milk & Management

元急性期病院勤務の経営ノウハウを駆使して酪農業界に新たな風を!!//酪農後継者の軌跡ブログ

新牛舎の乾乳エリア

こんばんわ。kazです。

北海道は2番草の最盛期でしょうか。

もしくはデントコーンの切込み準備でしょうか。

涼しくはなったものの、雨がタイミング悪く降っているなという印象が強いのは自分だけでしょうか。

 

先日、新牛舎の構想の中で、乾乳エリアの考え方についてまとめて、その必要性について書いた文章がありますので、乗っけておきます。

実は、だいぶん前から「発酵床」に興味があって、ロボット2台の牛舎に発酵床のバーンを設けてみようと思っています。

 

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前書き

通常(砕いてすぐ)のオガクズの大腸菌増殖スピードは、適正に熱処理されたオガクズ堆肥の20倍以上になる。逆に言えば、堆肥は大腸菌発生を抑制する効果があり、これば微生物群の活性化によってもたらされる抗菌効果と言える。そもそもオガクズをそのまま敷料として利用することは、牛糞よりも大腸菌が増殖する傾向があると言える。

 

発酵床式フリーバーン用いた乾乳エリアの考え方

現代の日本の酪農における機械化、自動化、省力化の技術革新はめざましく、搾乳ロボットを筆頭に人の作業を必要としない機械が次々と開発さている。

しかし、分娩介助の部分においては、現代でも人の作業を必要とし、経験値や観察力が酪農経営を左右すると言っても過言ではない。それは、乳牛の疾病発生や治療が周産期に集中していることが理由にあり、いかにスムーズに周産期を乗り切るかで、経済効果が変わってくる。特に分娩介助時には早急な手当が必要な場合もあるために、観察しやすく、尚且、介助しやすい構造が必要となってくる。

そこで、牛舎新築にあたり搾乳ロボットとの連動性を優先し、発酵床式フリーバーンを用いて、乾乳(休息期間)→ 分娩 →搾乳までの連動性を極めた牛舎を新築したい。乾乳エリアについてのメリットを以下にまとめる。

◎コスト

建設費コストを低減させるメリットがあり、ストール(鉄管)やそれらを固定する部材、コンクリートの量を削減できる。また、敷料としてオガクズを使用するが、ベッドの発酵状態が良くなれば、水分の含水率が下がるため牛体に汚れがつかない状態になり、衛生的で敷料の追加投入量も少なくて済む。発酵熱が出るために、施設の凍結防止にも役立つ。

◎牛の健康増進

牛床は発酵熱で温かく、お腹を温めることを好んで横臥率が高くなる。また、常にフカフカな状態となっているため、スタンディングしやすく、足の故障や起立不能牛の発生や、微生物の抗菌作用で蹄病の発症を抑制する。ストレスのない牛は、無駄な動きをせずにおとなしく、落ち着いていて牛床まわりの作業もしやすくなる。また、ベッドに自由な起伏をつくることで観察しやすいという側面もある。

◎省力化

搾乳についてはすべてロボット内で行えるよう導線を考慮しているため、別絞り等の作業は発生しない。乾乳エリア内で排出された糞尿は即時、発酵へ促すベッド構造になっており、水分の蒸散をすることで、堆肥化と牛の飼養が同時に行える。舎内での堆肥化ができれば、切り返し作業などの省力化が可能になり、堆肥自体の量を減らすことができるメリットがある。

◎臭気を軽減

発酵熱によってアンモニアなどの気管支系に影響を与えるような気体も発生しない。常に新鮮な空気が循環するような換気システムとなっている。ハエなどの発生も減少できる。

 

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これらは、自分なりに勉強をして、視察をして、考え抜いた結果なので実現させます。ですが、普及員の方々には反対されることが多いですね。「衛生的ではない」とか「管理が難しい」「やめとけ」などなど。

なんかこう、新しい技術革新(ロボットと周辺機器)と古来の伝統技術(発酵床)を上手く融合させたシステムを確立させたいものですね。

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