DJ report
◎プロバイオティクスは乳房炎に効果があるのか
プロバイオティクス = 生菌製剤
生菌製剤の投与の効果は、
・全身の免疫力を増強
・乳房内のCNSなどの菌を減少させる
・大腸菌性乳房炎の発生割合の低下
・治療回数、経費の抑制
ただし、これらの効果はSAによる乳房炎に対しては認められなかった。
◎子牛事故ゼロを目指す
5つのポイント
1.飼養スペース
過密は厳禁で、自発的な運動で胎勢を正常に戻せるスペースが必要
2.蹄病
肢蹄が良い状態で乾乳を迎えるよう対応する
3.観察
分娩が近づくと、とにかくよく観察することとできれば鳴き声等の音も聞く
4.自然分娩
初産は介助が必要だが、経産牛は自然分娩を心掛ける
5.乾乳期間とストレス対策
初産は60日、経産牛は45日。餌の変更、群移動等の環境変化を極力させない
※初乳は哺乳欲があるようであれば、飲みたいだけ飲ませる。
◎自家生産牛飼養で経済性の安定を求める
自家生産牛飼育の経済性を計る指標として、5年間の所得を試算してみる。
指標
・淘汰疾病率 20% ~ 30%
・分娩間隔 390日 ~ 450日
・産まれ落ちから成牛になるまでにかかる経費
結論
淘汰・淘汰率が25%で分娩間隔が410日以内では所得の向上がみられるが、それ以上になると所得の低下がみられた。淘汰疾病牛の発生を抑えて、繁殖力を高めることはやはりポイントといえる。自家生産牛飼育の経済性を考えると淘汰疾病率が25%以下で、分娩間隔が410~420日以内というのが目安になる。
◎飼養衛生管理基準の再確認を
家畜伝染病予防法 → 「飼養衛生管理基準」
1.農場の防疫意識の向上
2.消毒等を徹底するエリアの設定と実行
3.毎日の家畜の健康観察と異状時の早期通報・出荷停止
4.埋却地の確保
5.感染ルート等の早期特定のための記録の作成と保存
6.大規模農場に対する追加措置
「やらされている」ではなく「やるべき」
◎蹄が悪くちゃ喰えない、搾れない
「削蹄するタイミングが大事」
・乾乳前の削蹄は絶対 → 結果、毎月削蹄
「乾乳期のDD予防も大事」
・週一回の薬液スプレーもしくは蹄浴
「育成牛の削蹄は必須」
・定期削蹄には15か月齢の初妊牛も組み込む
「乳頭と肢蹄を重視した改良」
・AI事業体の交配プログラムでの改良と、蹄に良いとされるビオチンを使用。
「年3回削蹄のススメ」
・蹄病発症による損失は大きい。万全を考えるなら年3回削蹄で費用対効果は十分に期待できる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
補足
一つ目の生菌製剤の使用なんですが、わが農場も使っていました。
給餌の後トップドレスで一緒に食べさせていました。(今は行っていません)
乳房炎の抑制云々よりは、体細胞の低下に効果があるなと実感していましたね。
やめた理由は、「まさか今後ずっとやめることができないものなのか?」という疑問にぶち当たりまして。。。。。お金もかかりますし。。。。。「自然界のものでそこら辺クリアにできないものか?」と。
思い切って、辞めた時の効果を実証中でございます。