Milk & Management

元急性期病院勤務の経営ノウハウを駆使して酪農業界に新たな風を!!//酪農後継者の軌跡ブログ

低カルを制する者は酪農を制す

こんにちわ~kazです。

最近は酪農の講演やセミナーへの参加等で知識(ネタ)を蓄えております。

思うのは、最新の更新というのは早い!!っということですね!

あたりまえですが、去年最新の情報はもう過去のものなのですよ。

できるかぎり自分アンテナは、高く広くいろんな情報を拾える形にしておくことが重要なんですよね。

 

今日は、低カルマネジメントです。

うちの農場・・・・・・・・・・・・

マッジで多いんですわい! 低カルーーーーーー!!笑笑

 

父:お、乳張ってきたな

kaz:近いから移動するべやー

父:立てんから吊れるとこだわー

kaz::奥だな奥

 

!!!!えっ

おーいそこの初老と中年男性!会話おかしいやんけーーーーーッ

どんだけ早く低カル確定してんのよーーーーー!!

 

ふぅ・・・・

ポジティブに「まだまだやれることいっぱいあります酪農!」ということですね。笑

 はじまりはじまり~

 

低カルシウム(Ca)血症 & 分娩性低カルシウム(Ca)血症とは?

低 Ca 血症は血液中のカルシウム濃度が低下することに よって引き起こされる病気であり、他の動物に比べて、とくに乳牛は低Ca 血症になりやすい。低Ca血症には、分娩前後に起きる 分娩性のものと、分娩に関係なく起きる非分娩性のものとがあり、乳牛でよく見られるのは 分娩性低Ca血症である。通常、血液中力ルシウム 濃度は血液 100mL 当たり 7.5~10.9mg の範囲に維持されて、分娩時に7.4mg 以下になった ものを分娩性低Ca血症と呼んでいる。個体差はあるが、健康な牛でも生理的な変化として 一時的には血液100mL 当たり7.0mg以下になることがあり、5.0mg以下になると起立不能になると言われている。3産目以上の牛や高泌乳牛では、Ca 濃度の低下 に対する生体反応の遅れや、乳汁中へ移行するCa 量が多いことから、低 Ca 血症の発症リスクが高まっていく。

 

原因

① 泌乳によるカルシウム流出

出産間近の母牛は胎盤を通じて1日約18gのカルシウムを胎児に与え、分娩後には泌乳1kg(乳脂率約4%)に3g以上のカルシウムを流出。分娩前後の乳汁生成や泌乳の開始に伴う乳汁中への大量の Ca の移行に、消化管での吸収や骨からの動員が間に合わない場合、血液中 Ca 濃度が急速に低下し低 Ca 血症となる。

 ② 加齢に伴う吸収量の減少

カルシウムに対する調整能力は、加齢に伴って低下。

 ③ 分娩前のカルシウム摂取過剰

血中へ移行させる遅効性の上皮小体ホルモンが働き出す間、一時的にカルシウム不足に陥ってしまう。分娩2週間前の摂取飼料中に陽イオンを代表されるK,Na,Caの過給,特にK,Naの多量摂取が血液のアルカリ化となり上皮小体の機能低下になる

 ④ 消化機能の低下

胎児の成長に併せ内臓が圧迫され、消化機能の低下が起こりやすくなる。

 ⑤ 体内のイオンバランスの乱れ

カルシウムは陽イオンで、体内にマグネシウムや窒素等、陽イオンが多く存在し過ぎると、吸収されにくくなる。窒素が多く含まれる粗飼料を与えることでも陽イオンを積極的に与えてる事となる。

 ⑥ 年間舎飼い

年間舎飼いの牧場では紫外線の照射が少ないことも関係するかも。

 ⑦ 乾乳期間中の給与飼料中のCa不足

⑧ 2産以上の高能力牛の初回からの完全搾乳

 

低 Ca 血症を発症してしまった場合

全く寝返 りができない牛では 1~2 時間ごとに、身動きが可 能な牛でも 4~6 時間ごとに寝返りをさせ、四肢を よくマッサージする必要がある。重度の低 Ca 状態の場合は、 消化管からの Ca 吸収能が低下しているため、 経口的に Ca を補充しても、血液中 Ca 濃度の上 昇は期待できない。

 

低 Ca 血症対策

・乾物摂取量こそが重要

乾乳期間中の乾物摂取量の給与が最もなポイント。分娩前のエネルギー制御は、分娩後の代謝をより良くし、やせた牛の方が、乾物摂取量と乳量が高い。乾乳後から分娩に向かって、BCSが大きくなってはまずい。

・血液中の Ca 濃度を低下させない(維持する)ことが重要

なるべくストレスの少ない分娩環境、分娩直前から分娩後 72 時間は特に念入りな観察、分娩後 3 日以内は、子牛に給与する 必要量だけの搾乳、食欲不振の防止など。

・ビタミン D3剤の経口給与または筋肉内注射

高泌乳牛や経産牛に対しては、分娩の 3~8 日前のビタミン D3 の経口給与または筋肉内注射が推奨されていますが、筋肉内注射は副作用 も報告されている。血液中の Ca 濃度は分娩数時間前から低下し始めるため、牛の陣痛が始 まったらまず1回、分娩後初乳を搾る前に1回、 翌日にもう 1 回給与することが推奨される。

上皮小体ホルモンの活性化

分娩2週間前からの飼料給与が関わることからクローズアップ期の給与飼料の内容が重要。PHTの分泌活性化は血液性状の酸性化にあるためクローズアップ期の給与飼料を酸性化することにあるが,実際には添加物の投与が必要となる。しかし添加物による酸性飼料化は産直前の大事な時期の嗜好性や毒性等の問題を残す。

・乾乳期と産後10日間のCaの適量給与

分娩前に負のDCAD飼料を給与することは、分娩後のカルシウム吸収力を促進する。分娩後の低カルシウム血症を抑制するには、負のDCAD飼料を分娩前に与える。しかし、この時、カルシウムを与えないと、深刻な低カルシウム血症を起こす。

 

 

その他

低Ca 血症は、治療によって生産に復帰したと しても、発症しない場合より乳量は約 14%減少するといわれている。乳牛の移行期といわれる産前20日から産後30日までの間の飼養管理が重要となってきている。

 

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http://yubetsu-gyugun.com/blog/205.html

 ゆうべつ牛群管理サービスのHPから拝借させていただきました。すいません。

この図をでっかくして部屋に張り出しましょう!!!

 

 カルシウムは適量ですよ適量!少なすぎても多すぎてもダメですって。

これが難しいとこ・・・・・