Milk & Management

元急性期病院勤務の経営ノウハウを駆使して酪農業界に新たな風を!!//酪農後継者の軌跡ブログ

強化哺育セミナーの報告

kazです~

あったかいですね。(今は低気圧だが。。。笑)

 

確定申告してきましたよ~。

退職所得は所得に混ぜないでいいんですって!

ただそれは控除分額がない場合のみってことを役場に行った際に、担当の人に教えてもらいました。

今年は正解を教えてもらおうと紙で提出しました。

来年は、電子版?(Etax)でやってみようかな?

ってか個人じゃなく、移譲されたら牧場経営者として申請をしないといけないのか。

今のうちから、額の算出式をエクセルに入力しておかないと後々めんどいことになりそうだね。これも追々ブログに載せていこうっと!!

 

今日は、セミナーの内容報告です。

(実はなるべく時間が経ってから上げるようにしてます。なんとなく。。。。)

 

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子牛の哺育・育成研修会 

全酪連「強化哺育」2017  2017.12.7

講師 全酪連研究顧問 斎藤 昭 獣医師

 

従来の標準哺育とは
 朝夕2ℓずつ → 十分に実用的で、低コストだった


近年の哺育・育成技術
・目標体重システム
 例)難産を予防し、泌乳能力を発揮させるためには、授精は成熟体重の55%に達してから開始し、初産分娩体重は成熟体重の85%であること等を定めた。
・早期育成・栄養設計指標
 例)体重90-150㎏の時、蛋白バイパス率が35-40%等を指標化
・強化哺育システム
 例)定義はないが、1寒冷ストレス時には十分にエネルギーを給与し、2生後56日齢までに2倍まで体重を増体させ、3将来の用途に適す増体と体組成を達成する。

母牛の管理
クローズアップ期の7つのポイント
 1. 十分な広さの分娩室
 2. たくさんのキレイな敷料
 3. 過密をさける
 4. 暑熱と寒冷ストレス対策
 5. バランスがよくたくさん食べられる栄養管理
 6. カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンの給与
 7. ボディコンディションは太らないように
分娩後であってもたくさんの糖が必要。足りていないと、体の筋肉などのアミノ酸を分解して調達する→蛋白飢餓
妊娠期間中の胎児は、最初の3か月で筋肉細胞数の増加がほぼ完了し、その後は個々の筋肉細胞が増大する。

出生直後の管理
新生子牛は、体脂肪率が体重の3~4%。

出生後は体温が約1℃低下する。 → 低体温症になりやすい

 

初乳
生後6時間以内にどれだけ多く飲めるかが勝負(4リットル)
初回給与は可能な限り早く、生後6時間以内が目標
生後12時間以内に4リットル、IgGが50g/ℓ以上

生後数週間は、初乳抗体が唯一の免疫グロブリンであり、生後5~13週が最も防衛力が落ちる危険なゾーンとされる。離乳時期と重なるために、環境衛生とストレスに注意する。水とスターターの給与開始は生後3日目以降から開始する。
暑熱と寒冷の対策は重要で、子牛にとっての快適な温度は約20℃。寒冷ストレスで子牛が死亡するシナリオは、寒冷ストレス下で2~3週間、給与量が維持量以下の場合から始まる。なのでミルクからの寒冷対策として、気温20℃を基準とし、10℃下がるごとに代用乳給与量を10%増やす。高脂肪代用乳を選んで給与することも挙げておく。
水の給与は極めて重要。哺乳を介して与えられる水分だけでは不足している。固形飼料と離乳後の発育を支配しており、水を飲めるから固形飼料を摂取可能な状態と理解する。ミルクは第4胃に直行するため、ミルクの他に水分を与えないと第1胃ルーメンの水分が足りなくなってしまう。目安として、固形飼料の4倍重量の飲水が必要。哺乳後約30分は食道溝が閉まったままになるので、時間をおいて給与する。その時、がぶ飲みや一気に飲むと血尿症などを引き起こす可能性があるために注意する。

グッドスタート、カーフトップの紹介・・・・割愛。

離乳
スターターの代謝エネルギーは代用乳の代謝エネルギーの65~70%と理解すること。すなわち、離乳前の代用乳と同じ重量を摂取しても、同じ発育にはならない。増体重を同じとした場合、代用乳の1.6~1.8倍のスターターが必要とされる。スターターを毎日1㎏これを3日続けられれば離乳可能サイン。順調に水分と固形飼料の摂取ができていれば、5~6週で可能。強化哺育の場合は、さらに哺乳を継続して目標体重まで発育を加速させる。
離乳方法
一発 → 突然哺乳を停止し、翌日スターターの食い込みに期待。強化哺育の場合は不向き
暫減 → 哺乳量を1~2週間かけて徐々に減らしていく。手間はかかるが、離乳ショックが一番起こらない。
薄めながら → 徐々にミルクを薄めていく。下痢を招く恐れあり推奨しない。


※ 乾草の給与
栄養価がスターターよりも低く、発育が鈍る傾向。子牛によって給与量にばらつきがあり、栄養源の主体としてはあてにならない。離乳後から経過とともに徐々に。

離乳後

離乳から春機発動までは、骨格とルーメンの発達が急速に進む。高蛋白でルーメンバイパス蛋白を多く要求する。春機発動から分娩2か月前までは、ルーメン微生物の菌体蛋白質合成量を最大にする栄養バランスを調整する。CP設定に注意。

強化哺育の理由と可能性
・幼齢期の良好な飼料効率を利用
・受精可能体重に早期に到達する
・初産分娩月齢の低下、初産分娩時体重の増加
・既成牛群の規模拡大の可能性
・乳量と牛群寿命増加の可能性


出生から春機発動までの時間こそが乳腺発育に最も大きな影響を与えており、高エネルギーの摂取に対する負の兆候は存在しない。
イリノイ大学の研究で、離乳に失敗した強化哺育牛は離乳後の増体が鈍ったにも関わらず、対象区(標準)に対して高乳量を示していた。

 

補足
自動哺乳機は強化哺育に向く。なぜなら、個体ごとの哺乳量の増減を自動化できて省力的であり、発育速度を高める場合には、多回哺乳による効率の改善も期待できる。

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以上です。

長々とありがとうございました。