養牛セミナー報告
こんにちわ。kazです。
「「コダイラーッ!!!!いけーーーーーッ!!!」」
あっ。
すいません。ピョンチャンオリンピック見て興奮しすぎの毎日でした。
少し落ち着きます。笑
ということで、今日はセミナーの報告ですね。勉強時間のはじまりはじまり~~
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養牛セミナー 2017年11月21日火曜日 12:30~
講演:哺乳子牛の管理
講師:あかばね動物クリニック 鈴木 保宜 先生
●分娩したらやること
・ホルスタイン雌牛の死亡と廃用の時期は、1生まれた直後、2生後24日前後、3.生後36~40日前後、4.生後48~52日前後となっている。
生まれたら行うことは、臍帯の消毒と切断(付け根から一握りくらい)であり、これを怠ると、死亡率や肺炎治療率などが上がっている。
消毒あり・A 死亡率7.1% 下痢治療率30.5% 肺炎治療率5.2%
消毒なり・B 死亡率18.0% 下痢治療率22.0% 肺炎治療率18.9%
初乳中のIgGは時間とともに減少するため、初乳は早く絞る。また子牛側の吸収力も時間とともに下がっていくので、1~2時間以内、最低でも6時間以内には飲ませてあげたい。この初乳中には、細菌が多く潜んでおりこの細菌は、腸内からのIgGの吸収を阻害する。この細菌数が10万個/mlを超えてならない。
初乳中細菌数を抑える方法
・搾乳後1時間以内に4℃以下で保存、冷蔵48時間以内に給与
・冷凍1年以内、回答の温度を60℃以下に
・4℃冷却とソルビン酸カリウム0.5%の添加が増殖抑制
分娩直後の牛の搾乳管理も必要であり、通常は特殊な隔離バーンで管理をする。また分娩後の牛には別な搾乳ユニットを使用し、未感染牛には全体に汚染された搾乳ユニットを使用してはならない。
●初乳の管理
・生後2時間以内に最低3L
・生後12時間以内に出生体重の約10%
・菌の増殖を抑える管理
・感染初乳は廃棄(白血病など)
・生のプール初乳は給与しない
初乳の中には、抗体だけではなくIgGの他に、リンパ球、B細胞、好中球、非特異マクロファージ、細胞性免疫活性物質等、免疫能力の発育に大きな関与をする。初乳の重要な役割として、・腸の成熟・吸収を高めるホルモン供給(インスリンとIGF1)・飼料摂取量と飼料効率の設定を変化させるホルモンの取り込みがある。また、白血球移動のピークは初乳摂取後の12~24時間後で、新生子牛の初期の細胞性免疫を増強する事と免疫応答の成熟を促す。
●正しい初乳の給与
・十分覚醒させてから
・品質の良いもの(IgGを50g/L以上含むもの
・十分量与える(IgG100g以上を確実にするため体重の10%を用意)
・6時間以内に
・できれば生きたもの(白血球、サイトカイン)
・清潔に
初乳代用乳は免疫グロブリンの吸収が悪いため、多めに与えた方がよい。細菌汚染の可能性は増えるが、100gでは血中IgGが10mg/mlを超えるには十分ではないので、150~200g与えるとよい。
受動免疫伝達不全(IgG給与量10mg/ml以下)の場合は、子牛の死亡損失を増加させる研究結果となっている。
●哺乳期の栄養
子牛の栄養摂取の特徴(自由に飲ませると)
・1.04㎏/日で増体
・6~12回/日母牛から飲む
・約10㎏全乳を飲む
・21日齢にミルク摂取のピークに達する
21日齢まで、脂肪と乳糖を主なエネルギー源としており、ショ糖とデンプンはうまく分解できないことがわかっている。子牛が成牛のように消化できるようになるには6か月以上かかる。強化哺乳では、生後56日で体重が2倍以上となり、DG0.8㎏~1.0㎏、ミルクは1㎏~1.2㎏/日給与。離乳は70~90日で行う。
水の給与は、2日齢から始める(きれいな水、3回/日の取り換え)。スターターは食わないので、筋肉の増体には水が必要となる。スターターは、分娩後1週間から給与をはじめ、。食べ始めてから2週間あたりで正常なルーメンの収縮が始まる。胃で分解できないカビが生えると悪い作用となるため必ず取り換えを行う。油脂は含まずにCP25.5がよい。ルーメンの発達に重要な栄養素は、糖分およびデンプンを多く含む穀類。乾草はこの時期はほどんど必要ない。(消化が遅い)
●理想的な離乳
・スターターの摂取量が1㎏以上に達していること(水分は4L以上必要としている)
・7日以上かけて徐々にミルクを減らしていくこと
・離乳後14日間は餌の変更等を行わないこと
・同時にワクチンや除角などストレスをかけないこと
・離乳前後に抗コクシジウム剤を給与すること
・生後7週以上であること
乾草は与える?与えない?
・アルファルファレイの自由採食は、ルーメンの発達に必要なスターターの摂取を低下させてしまう。
・少量の乾草やわらは、スターターの消費量を増加させるかもしれない。
・敷料がわら以外のケース、もしくはスターターペレットの摂取による鼓腸症を防ぐには5%の切断された乾草をスターターとともに与えてよい。
・乾草の自由採食は、離乳後4週間以上経ってから行うべき
●何齢で子牛をペア飼いするべきか?
早期ペアの子牛は乾物摂取量がより高かった研究結果がある。
●下痢の予防と治療
・感染経路:糞便などを介した経口感染
・症状:黄色ないし黄白色の水溶性の下痢
・対策:母牛へのワクチン接種→初乳、畜舎の消毒洗浄
クリプトスポロジウム
・世界の酪農家のほとんどが7日齢前後の下痢に悩んでいる。
これらの感染症は糞便からの病原体検出キットをもちいるとよい。
吸収不良性下痢の治療
・経口電解質
・断乳(1~2日)
・下痢止め
・生菌剤
下痢の場合、ナトリウムが出てしまったため、細胞内に水が入り込んでいる。水が余っているので5%ブドウ糖を注射しても意味がない。
経口電解質は、吸収がよくミルクよりおなかに負担をかけない体液成分にちかい。食欲が低下して胃腸の動きが鈍くなっている場合(おなかをゆするとダブダブと音が鳴る)は、使用しない。低栄養のために1~2日しか使用しない。慢性の下痢の場合には、ミルクを与えながら給与(ミルク後2時間あける)する。
子牛を疾病から守るには
・初乳からの免疫機能の獲得と発育刺激
・カロリーによって免疫機能の正常発育を促す
・快適環境
クリーン、ドライ、フレッシュエアー、ウインドブレイクで生体防御機能を守る
・ワクチンや投薬はその後の対応とするべき
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以上になります。
内容的には、MPアグロさんの「スーパーネッカリッチ」の有用性についての話となっていましたね。強化哺育には、IgGの摂取に必要な代用乳と悪玉菌の吸着作用のネッカリッチが子牛の健康にはとても良いということでした。
実はうちでもネッカリッチを使っていまして。。。。効果は出ていると思います。
下痢症になる講師の割合が減りましたし、増体に関しても申し分ないような気がします。ただ下痢をしてしまったら、他の製剤と混ぜない方がいいですね。効果を殺しあっている可能性があります。
勉強でした。ありがとうございました。