Milk & Management

元急性期病院勤務の経営ノウハウを駆使して酪農業界に新たな風を!!//酪農後継者の軌跡ブログ

Dairy Japan 2016.3

こんばんわ。kazです。

 

今日は、Dairy Japan 2016年3月号の中から、学習のために気になった記事をまとめてみます。

 

「分娩房の牛床素材を見直そう」

実験から、分娩房の床の材質に砂を用いると、ゴムマットに稲わらを敷いた牛床よりも、牛が横になる時間が増加し、起立動作がよりスムーズになることが示された。母牛が寝起きを切り返し、胎子は前後左右に揺さぶりを受けることで分娩が進行する。分娩後に起立動作が繰り返されることは、低カルシウム血症による起立不能のリスクを軽減する効果もある。繋ぎよりも分娩房を利用することでよりストレスの少ない分娩環境となる。

 

「稼げる後継牛を育てる」

・一に栄養二に環境三四がなくて五に予防 ~ 標茶町育成牧場

子牛の元気回復にバナナを利用して効果を得た。バナナ粉末と特定動物性油脂が配合された代用乳を採用。スターターもバナナ粉末入りを利用しているのもその一環。納豆菌+乳酸菌(複数種)入りの生菌材を哺育牛に与え、育成には納豆菌をTMRに入れて与えるのも同じ理論。体調モニターのポイントは糞便と体温。発熱すると目の周囲に鳥肌が立ち毛が逆立っている。ここを注視すること。育成牧場に必要なのは、高度な医療ではなくどれだけ手をかけてあげられるか。

・牛目線で細やか管理 ~ ヤマギシズム生活農里実顕地

初乳の給与は出生後30分から1時間以内で。カテーテルでの強制給与は行っていない。初乳の給与量は、1回目は「飲みたいだけ」平均4ℓ。2回目も牛に任せている。初乳給与は3回目までで、最終の給与は2ℓ。合計の初乳給与は7~8ℓ。育成舎に防虫ネットを張ったことで肺炎のケースが激減。熱帯魚用のヒーター用いて水槽を加温し、寒冷期でも飲水量の増加に努める。

 

「もうかる酪農その15 乾乳にするリスク④」

個体乳量を引き上げるための条件

〇脳下垂体から分泌される泌乳ホルモンの量

 ・遺伝的改良

 ・光周期(分娩後に日長が長くなると分泌量が増加する。分娩前に日長が短いと分泌量が増加する)

 ・乾乳期間を45日以上確保する。(乳腺上皮細胞数の増加と分泌性細胞の比率増加)

 ・分娩後3週間の搾乳回数

〇分娩直後の泌乳牛の乾物接種量

 ・乾乳後期と産褥期の飼養管理

〇分娩後の泌乳牛への栄養供給量

 ・分娩後のエネルギー不足を補うための乾乳牛のBCS

 ・栄養濃度を上げることによる栄養の充足

 ・バイパス栄養源の補足給与

 

「雪たねからアドバイス 高水分TMRについて」

一般的には、TMRの水分が50%を超えると原物摂取量が頭打ちとなり、あとは水分増加に伴って摂取量が減るため乾物摂取量は低下するとされています。TMRの水分を低くすれば、乾物摂取量を高められるかというと実際には選び喰いが発生する。牛は濃厚飼料を選んで食べるため、ルーメンpHが下が事もしばしば。この選び喰いをゼロにする考え方も生産性を高める一つかもしれない。デンマークでは、高水分TMRで選び喰いを防止し、ゆっくりと黙々と食べるようになり、飼料効率も高まっている。

 

「低カルシウム血症とその対策 Ca剤の経口投与」

経口Ca剤は、一般的に高価の持続性はさほど高くないため、分娩時、分娩後12時間後の計2回与えるのが推奨のパターン。経口Ca剤の投与は、とくに前回の産次で乳量が多かった牛や跛行の牛に対して、周産期病の抑制あるいは乳量の増加効果がある。